
ちょいずらし?のデザイン【後編】〜スケッチラボ〜
富山駅前のCiCに未来共創を創出するための施設「Sketch Lab」(スケッチラボ)が9月7日にオープンしました。「未来共創」「新しい出会いの場」「オープンイノベーション」の3つをキーワードにした未来を描ける場所としての効果が期待されています。
このSketch Labは、スター総合建設が施工を担当し、内装デザインはコンペティションによってdot studio一級建築士事務所が選定されました。「ちょいずらし」のデザインの後編は、Sketch Labのデザインについて、上野宏岳さんとdot studio代表の沼俊之さんにお話をお聞きしました。

dot studioの沼さん(左)、上野さん(右)

CiC3階にオープンした「Sketch Lab」

CiC3階のスケッチラボ全景模型

ラボ
Sketch Labのコンセプトを教えてください

上野さん
コンセプトで大事なことは、木を使って造作していること。節がある杉の集成材を使った造作家具を配置しています。木は親しみやすい材料で柔らかさを出してくれる。内装もいじれる場所が少なく、普通に考えると家具を選んで配置することになりますが、視点を少し変えて造作で作ろうと。ただし、コストがかかるので、地元の大工さんと協働して造作家具と建築の間のようなものを目指しました。

沼さん
メインエントランスをくぐると、木が現れる。連続して受付まで導いて繋がっています。今回はインテリアとして天井や壁をあまり施工できない中で、最大限に木を感じられる空間を作りたいと考えました。木は集中力を高め、落ち着ける効果があるので、オフィス空間に適しています。

家具は一つひとつ、職人が手作り

杉木建築の職人

6席ある集中スペース

ラボ
スケッチラボは「未来を描く」「未来共創」のための施設としてオープンしたわけですが、デザインの面でこだわったことはありますか?

上野さん
「この場所では、集まりたいけど集中したい」その距離感を考えました。そこで、デスク天板を台形にして、人が集まるように配置することもできるし、視線が合わないように配置することもできる。そんな距離感を生むことができるデスクデザインにしました。

多用途の台形テーブルが配置されている

反対向きに座ると作業用のテーブルに早変わり

沼さん
Sketch Labは、未来を描く施設としてスタートしますが、まだ始まったばかりなので、具体的なことはこれから始まります。ただ、私達インテリアを担当する者としては、どんな事が起ころうとも受け入れることができる場所を作りたいと考えました。椅子もただ座るだけでなく、逆に座ればテーブルとしても使えますし、施設ではセミナーやオープンワーク、イベントなど多種多様な顔を持つので、それに対応できるように心掛けましたね。

木の年輪から着想したロゴ。手書き感を出し、人が集まる「輪」の大切さも表現したそう。
上野さんがデザインを担当した。

施設運営に携わる「とやま未来共創チーム」の面々。チームにはケンチクノワメンバーの種昻さんも

ラボ
お二人がSketch Labに期待することは??

沼さん
こうした施設は、企画やプログラムの内容で人を呼び込めるかが懸かっていると思います。人が行きたいと思える企画をとやま未来共創チームに考案してもらって、盛り上がればいいですね。

上野さん
誰でも入れるオープンな施設になってほしいです。ふらっと行って入れるような万人に開かれた施設になって、盛り上がってほしいです!