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連載記事

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わかもん

富山工業高校生のプランが基になり、全国に先駆けて整備される職住一体の施設「富山県創業支援センター / 創業・移住促進住宅」が今年秋にオープンします。「わかもん〜高校生のプランが現実に〜」は、「建築家 仲俊治✖️富山工業高校教諭 藤井和弥✖️とやま建設ラボ」の3者によって、この施設の完成までを綴るコラム連載です。

※隔週火曜日に公開

とやま建設ラボ()()


「特別なもの」

連載『わかもん〜高校生のプランが現実に〜』は、12回目を迎えました。

今回は「創業・移住促進住宅」の現場で日々汗を流す、林建設工事部の津野圭壱さんにインタビュー。

津野さんは富山工業高校建築工学科卒で、入社2年目。2017建築甲子園優勝時は在校生の1年生でした。先輩の甲子園優勝で同校や富山県の建築業界は湧き、そのプランが現実になっていく様子を後輩として見ていらっしゃいました。そして今は、現場で施工する立場としてこの事業に携わっていらっしゃいます。

そんな津野さんに、甲子園優勝プランが現実となる津野さんの想い、現場や仕事に対する想いなどを聞いてきました!

富山市蓮町「創業支援センター/創業・移住促進住宅」の現場

 

ラボ

今日はお忙しい中、ありがとうございます。まずは…、現場での普段のお仕事を教えてください!

津野さん

当社(施工=林建設・竹原J V)は、「創業・移住促進住宅」の施工を担当しています。私自身、普段は現場の工事写真を撮影しています。他には現場の墨出しなどもします。

現場事務所にお邪魔し、インタビューさせていただきました

ラボ

写真撮影の時に気をつけていらっしゃることはありますか?

津野さん

工程写真なので、一つの写真を撮り忘れると施工前に戻るわけにはいきません。そこは気をつけていますね。

お忙しい中、色々と現場をご案内いただきました

ラボ

富山工業高校の先輩が、2017建築甲子園で優勝され、そのプランがこの現場で現実のものになろうとしています。この現場でお仕事をすること、そして後輩としてのお気持ちを聞かせてください!

津野さん

そうですね。2017建築甲子園で優勝された先輩方は、学年が2つ上の先輩にあたります。私が1年生の頃、優勝作品のプレゼンテーションなどを聞く機会もありましたが、正直何を言っているのかよくわかりませんでした…(苦笑)。ユーティリティやワークスペース…。横文字が多くてサッパリだったことを記憶しています(笑)。

2017建築甲子園優勝メンバー(わかもん VOL.3参照)

ラボ

サッパリだったんですか…。でも1年生の時だと、無理もないかもしれませんね(笑)。

津野さん

ただ、今は少しずつ知識が増えて当時のプレゼンテーションでお話しされていたことがイメージ出来るようになりました。その事を踏まえても、高校生の考えたプランが実際に建つことは本当に凄い事だと思います。このプランは授業で触れたり、習うわけでもない。先輩達の発想が詰まっているプランだと思います。

昨年4月からこの現場に入りましたが、現場に降り立った時は「ここがあの場所なんだ」と思いました。自分が少しでも関係しているこの蓮町の現場に、特別なものを感じます。まだ入社2年目で生涯の2現場目ですが(笑)。

2017建築甲子園優勝作品「夢を描きながら住まうこと〜地域を創るわかもん 団地〜」

ラボ

津野さんも建築甲子園に出場され、ベスト8に輝いていらっしゃいますよね!

ラボMEMO
津野さんは「2019建築甲子園」に出場し、作品名「SAKAの町の地区センター」でベスト8・女性委員長特別賞を受賞。
富山市八尾町を舞台にし、普段の静けさの中でも、祭りの賑わいの中でも、町に訪れる全ての人にとっての拠り所を目指した作品です。八尾町が住民の高齢化と人口減少が顕著な地域であることに着目し、「おわら風の盆」などの八尾の魅力を多くの人が再発見できる建築を考案されました。

2019建築甲子園でベスト8に輝いた時の表彰式。前列左が津野さん

津野さん

建築甲子園は私を含めて男子3名、女子2名の5人チームで、新村先生が監督でした。甲子園は自分達だけでプランを考えて作り込んでいきます。コンセプトから少しズレが生じた時は、新村先生からアドバイスを頂いたりしました。建築甲子園では「自分達でやりきる力」が身に付いたのかなと思います。

私たちのプランは、ベスト8に入りましたが、講評で構造上の耐力などで指摘を受けたんです。それを思うと、蓮町の先輩方のプランは、考えられたプランがほぼほぼ現実となり、形となっているので、改めて凄いプランだなと感じます。

インタビューに同席いただいた、林建設総務部の林漠さんにもお話を

ラボ

高校生のプランが基になり、その後輩の津野さんも現場にいらっしゃいます。林さんのこの現場に対する想いを教えてください。

林さん

この工事が富山県内の地元建設会社の手で施工して、形に出来ることがとても嬉しいです。地方の建設業界における一番の悩みは、担い手不足であり、職人さんの不足。

この現場のような事業が少しでも増えると、地元建設会社に入っても夢のある仕事を形に出来る。この現場をしっかりと完成させ、地元建設業の魅力を伝えていきたいです。

急な質問にもご対応いただき、ありがとうございました!

ラボ

この現場は新築ではなく、大規模なリノベーションです。現場で大変だなと感じる時はありますか?

津野さん

リノベーションの面としては関係ないんですけど、2棟分の工事範囲の写真を撮影するのは大変ですね。新築は建物の立ち上がり方はイメージ出来ますが、リノベーションはどんな流れで工事が進んでいくのかは、経験が浅いこともあり、まだ理解出来ないところがあります。

ただ、全ての仕事が新鮮です。今は、創業・移住促進住居と創業支援センター結ぶ渡り廊下の掘削をしており、その位置出しの測量が私の担当です。

渡り廊下の基礎の位置は設計段階で決まっており、設計データをCAD上で位置や角度の寸法を出し、ポイントからトータルステーションで距離を測るそう。図面を見ながら丁寧に解説いただきました

ラボ

ありがとうございます。最後の質問になります。建設業を志している学生さんに一言お願いします!

津野さん

CADは使えた方がいいですね(笑)。私はパソコンが苦手なので…。学校の授業でもCADは触ると思うので、しっかり取り組んでもらえれば!頑張ってください!

津野圭壱さん

PROFILE

林建設株式会社

〒939-8211
富山市二口町2-6-12
TEL:076-413-8841

津野圭壱さん

林建設株式会社 工事部所属 
富山工業高校建築工学科卒 入社2年目