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連載記事

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わかもん

富山工業高校生のプランが基になり、全国に先駆けて整備される職住一体の施設「SCOP TOYAMA」(富山県創業支援センター / 創業・移住促進住宅)が今年秋にオープンします。「わかもん〜高校生のプランが現実に〜」は、「建築家 仲俊治✖️富山工業高校教諭 藤井和弥✖️とやま建設ラボ」の3者によって、この施設の完成までを綴るコラム連載です。

※隔週火曜日に公開

富山工業高校建築工学科科長

藤井(ふじい) 和弥(かずや)


「製作アイテム(番外編)」

夏の甲子園(野球の方)は、仙台育英高校が見事優勝しましたね。東北勢の初優勝、素晴らしい!

そして試合後の須江監督のインタビューでの感動的な言葉「青春て密なんです」。この言葉を聞いた瞬間、僕の脳裏に浮かんだのは、「それ、言いたかったなぁ・・(嫉妬)」。

近しい言い回しは考えたことがあったのですが、こんなフレーズ全然浮かびませんでした(笑)。流石、野球の甲子園優勝監督は違います。

というかそんなインタビュー場面が僕にあったわけでもないので・・・ただ、何度も言いますが、日本全国どこを見ても、産・学・官が連携してこんな面白くて社会や未来に繋がる建築の活動をしている事例は聞いたことがありません。

コロナ禍に見舞われて3年目。この取り組みを中々公にできない苦しさやもどかしさもたくさんありました。そんな中で、富山工業高校の生徒らは世代を超えて本当によく頑張ってくれたと思います。

今回含めてあと2回で僕のコラムもいよいよ終了になります(建設ラボの中の人との談)。事業に絡めながら結局はワークショップのことで引っ張り続けてしまいました(笑)。

だって本当に「密すぎる」ワークショップだったのですから。そしてアイテム紹介はこれがおそらくラスト回かなと思います。

今回は、プロジェクト全体の中心とも言える「コモンアーケード」や「コモンテラス」に置かれる色々なアイテムの製作をしたエクステリアチームのこと。そして、蛭谷和紙(びるだんわし)職人の川原隆邦(かわはらたかくに)さんと高校生の協働についてお話していこうと思います。

【エクステリアチーム】

エクステリアチームと仲さん、中尾さんの集合写真    指導担当は渡辺先生と山口先生

 

SCOP TOYAMAの富山県創業支援センターには「コモンテラス」があります。コモンテラスは建築甲子園の先輩の提案にもあり、そこに仲さんたちの意図が加えられ、より魅力的な場所として設計されたプロジェクト全体の中心です。

そしてその下1、2階レベルでは「コモンアーケード」として機能し、庭との一体感を作り出しつつ、チャレンジショップなどに面して多くの人が往来する場所、仲間たちと切磋琢磨し交流する場所になります。

エクステリアチームでは、このコモンテラスに置かれる「居場所」をつくりだすようなベンチ、そしてコモンアーケードに出店するテナントさんたちがお店のロゴやメニューなど、通路を歩くお客さんへアピールするための置き型看板を皆でつくりました。

【置き型看板】

生徒らが製作した3タイプの看板を紹介したいと思います。

①アクリルの看板

シンプルなデザインでお店の雰囲気に合わせて看板のテイストを変えられるようなデザインの看板です。フレームには耐久性に優れ、木目が美しいケヤキを使用し、重くならないようフレーム自体を細くしてあります。

いわゆるA型の看板。蝶番によって折りたたみができる

アクリル板を挟み込める。ディテールが細かく綺麗な仕上がり

一番のポイントは、掲示面が入れ替えができるようになっているところ。コモンアーケードに入るお店の人が、アクリル板にロゴを書く・ポスターをはさむなど、事業者によって異なる使い方をできるのが魅力です。

透明なのでとても軽やかな印象になった

また風対策の重りとして、花を植えたバケツを使用しています。そのバケツがお店周りに彩りを与え、アーケードの賑わいにつながることを目指しています。

錘として機能する花を植えたバケツ。造花ではなく本物の植栽になるとより優しい印象になる

 

② 木材とアルミを使ったヴィンテージ風の看板

経年変化したような印象でガシガシ使ってもらえそう

この看板の一番の特徴は、木材の柔らかい部分を削って凹凸を出したり、ビスで傷をつけたり、木づちで角をつぶすなどのダメージ加工を施すことで、古材の雰囲気が出るようにしてあることだそうです。

古材の雰囲気を出すために色々な方法で加工を施してある

素材も寄せ集めの木材に見えるよう、板材ごとに3色に塗り分けてあったり、両サイドの長さを互い違いになるようにあえてズラして取り付けています。そうすることで形と色の違いを生かし、板1枚ずつをメニュー表のように使うこともできます。

この看板は形で目を引くことを目指しているそう

脚部分は、鉄を使用すると看板が重たくなってしまうため、アルミの角材に塗装をしてあります。風対策として看板の内側のフレームに板をかけて、その上に重りを置けるようになっています。

 

②差し込み型看板

面に黒板塗料が施されている看板

この看板は、黒板部分が取り外し可能になっているところがポイント。取り外せるようにしたことでA型の看板より黒板に文字が書きやすくなっています。

黒板はマグネットシートになっているので、磁石を使用することもできる

また、下のかご部分に植栽を置けるようにしたことで店先に明るい雰囲気を作ることができますし、看板が風にあおられないようにする重りの役割も果たしているそうです。

重石の植栽。プレゼンの段階では造花だったけど、お店の人の好みで色々な植物にしてもきっと楽しい

 

【ベンチ】

ベンチについては、デザインは生徒が考えたものではなく、藤森泰司さんがDIYメーカーの「石巻工房」と共に石巻の仮設住宅のために考案した「ENDAI(エンダイ)」をベースに、仲さんがアレンジしたものになります。

ちょうど良い奥行き感

ところどころに丸みのあるデザインが優しい印象を与える

既製品に近い木材パーツを色ごとに分別し、丁寧にヤスリ掛けしてからOSMOカラーで塗装します。図面からビス穴の位置を決め、墨付けをし、その位置にボール盤でビス穴を開け、部材の位置の確認をして、座面、脚、背もたれの順番で組み立てを行います。

木材の反りが激しく接着が困難な場所は、クランプで固定しながら班員全員で丁寧に組み立て仕上げました

デザイナーの皆さんからは・・・

(仲俊治さん)
藤森さんのデザインを少しアレンジしてあるベンチなんだけど、奥行き感がちょうど良くなった。置かれる場所はちょうど3階のコモンテラスにある庇の下になる。

3階はオフィスのメインフロアになるのだけど、ラウンジがあるので、天気のいい日は部屋の中でコーヒーを淹れて、コモンテラスに出てこのベンチでコーヒーを飲む。そんなことができるといいなぁと思っていたのだけど、とても良いものにしてくれて良かった。

耐光性塗料としてOSMOが塗ってあるけど、もしだんだんその力が弱くなっていった時は、みなさんの後輩にメンテナンスをバトンタッチして塗装してもらえたらなぁと思っている。

置き型看板については、12月の中間発表の時からすると、そのままうまく実現に漕ぎ着けた印象。3つとも全然違う出立ちになったので、並んでも置き型看板だけでも賑やかさが創出されてよいと思った。アクリルを使った看板は、畳んで持ち運べたり差し替えられたり、チャレンジショップ自体はもしかしたら日によって入れ替わる可能性もあるし、催し物をやることだってあるから情報発信が日替わりになっても対応できる良いアイデアだと思う。

アンティーク調の看板もユーモラスで生き物みたいで可愛いし、傷をわざと付けたりするのも上手くいっていて良かった。黒板の看板は、植栽で重石にしようという中々見ないアイデアで面白い。他の2つがA型なのに対して直立しているのも個性的だし、コモンアーケードのウッドデッキの居場所に緑が入ってくることで生き生きしてくる良さがある。

昨年度、教育文化会館での最終講評会での様子

(中尾千絵さん)
看板は、私の想像以上に使う人の気持ちをすごい考えてくれていた。日によって挿し替えられるアクリル板のアイデアとか、メニュー1個ずつを板ごとにバーのように項目で表せたりとか、黒板になっている看板は取り外してメニューなどが描きやすくなっているとか、なるほど!と思ってみていた。私もA型の看板に書いたことあるけどすごい描きにくいって感じた経験がある。

そんな風に細かいところにこだわって、工夫が行き渡っていていいなと思った。こういう置き型看板はみんなあんまりお金をかけたくないので大体既製品を使っちゃう。このくらいオリジナリティがあると、通り(コモンアーケード)もすごく楽しくなるのではないかと思う。

(小久保さん)
ベンチについて、山口先生を通じて色々やりとりさせてもらった。

今回は、支給された材を使って製作する形だったが、元々これを作っているメーカーは、そんな厳密に何ミリとかにこだわって製作することを目指しているわけではなくて、どちらかというと、その場でDIY的に作れるようなものを目指していたのだけど、みんなは椅子を作った時のような何ミリという精度までこだわって作ってくれたので、出来上がった時の佇まいが格段に上がっていてとても良いものに仕上がっている。

 

エクステリアチームは、椅子や照明を作っていた生徒たちで再結成されたチーム。製作期間は本当に短い中での取り組みであったけど、しっかりやり遂げてくれて良かったと思います。ぜひ皆さんも訪れた際は注目して見たり、座ったりしてほしいです。

 

【蛭谷和紙職人・川原隆邦さんとの協働】

「創業支援センターには、富山の伝統工芸や匠の技を取り入れたい」

こうしたみんなの想いから、2年前に設計者の仲さんと宇野さん、富山県庁創業・ベンチャー課の野村さん、僕の4人でマテリアルハンティングとして、県内の様々な伝統工芸を見学しに行くことに。

その時の蛭谷(びるだん)和紙職人・川原隆邦(かわはらたかくに)さんとの出会いが、みんなの心を大きく動かしました。

川原さんを訪ねて立山町にある川原製作所へ

「蛭谷和紙(びるだんわし)」は、高校生製作アイテムの一つである照明(紙風船ランプやOri)に使用した「五箇山和紙」、「八尾和紙」と共に、「越中和紙」として、国の伝統工芸品に指定されており、川原さんはその蛭谷和紙の伝統技術唯一の継承者です。

□川原製作所HP
http://www.birudan.net

茹でた楮(こうぞ)を引き上げる川原さん。工房では和紙作りについて丁寧に説明してくださった

 

また川原さんは、富山市ガラス美術館の内装やパリ装飾美術館での展示、最近では東京虎ノ門スクエアの壁面にも巨大な和紙ガラスの作品を手掛けられ、和紙作家としてもグローバルに活躍されるとてもすごい人なのです。

川原製作所内に置かれたサンプル。見たことのない和紙のテクスチャに驚きの連続

原料の楮(こうぞ)を育てる畑づくりから行なっておられる川原さん。畑を見学した際、カモシカと思って近づいたらクマだった珍事件など

川原さんの和紙製作の技術はすさまじく、例えば、他の職人や機械ではできないようなすごく軽くて薄い和紙を漉く(すく)ことが出来たり、和紙に井草や木の皮を混ぜて漉くことで見たことのないような模様をつくり出したり、和紙に文字やロゴを入れたり、和紙を何枚も重ねて立体造形をつくり出したりなどなど、表現の幅がものすごい。

確かな伝統の中にも革新的なチャレンジを織り交ぜることができるのです。

透けるくらい薄くふわふわ宙に浮くほど軽い和紙

川原さんのアートワークに欠かせない、合わせガラスの高い技術をもつ高岡の三芝硝子さんも見学

和紙の合わせガラスのサンプル。光沢の中にキメがあってとてもキレイ

そんな世界からも注目される川原さんの伝統技術と創造性、そして建築を学ぶ高校生たちの若さ溢れるエネルギー。これらのミックスによって生まれる新たな作品が、創業支援センターの空間に設置されることで、「富山で夢を描きたい」というみんなの想いを表現できないだろうか。仲さんの発案によって、川原さんと高校生の協働がいよいよスタートします。

仲さんが注目したのは、和紙の中に和紙以外の素材を織り交ぜて漉くという川原さんの技術。既存の団地で使われていた素材を和紙に混ぜて漉き、その和紙を合わせガラスに挟み込んだ意匠ガラスとして、創業支援センターのエントランス壁面を象徴的に彩れたらとても素敵なんじゃないか・・・。

和紙合わせガラスをつかったエントランスの壁面イメージ(提供:仲建築設計スタジオ)

そこで、団地で使われていた素材として、当時の生活の痕跡が感じられる建具「障子」を内装が解体される前の現場からいただくことにしました。

営繕課さん・現場監督さんの許可のもと障子の一部を回収

現代的ライフスタイルの住空間では、和室の需要そのものが減っていることもあり、あまり見かけることがなくなっている障子。今回蓮町団地に使われていた障子の素材は、加工のしやすい「スギ」でした。この障子を解体し、和紙に混ぜられるくらいにさらに細かくしていくという作業を高校生たちが担うことになります。

赤みのあるスギ材は表面がかなり傷んでおり時間の流れを感じる

今回その作業を一緒にやってくれたのが「建築工学部」の生徒たち。建築工学部は、サッカー部や野球部などと同じく本校の部活動の一つです。普段はみんなで大工技能の腕を磨いて「ものづくりコンテスト」に出場したり、有名建築物の「模型製作」などを通してその技術向上をはかったり、「設計コンペ」にチャレンジしたりなど、建築に関わるさまざまなことに取り組んでいます。

ものづくりコンテスト富山県大会での様子(今年11月12,13日には全国大会が富山市民プラザで開催されます!)

仲さんのプランをもとに制作したSCOP TOYAMAの模型。ご本人にも見ていただき大変喜んでもらえた

障子の解体作業には、その中でも大工チームの生徒たちが抜擢されました。普段から木材加工に取り組む彼らは、木や道具の扱いにも手慣れており、とても意欲的に取り組んでくれました。

障子の解体作業の様子

抜けにくいところは玄能(げんのう)を使って

細かくバラバラにしていく

しかし、障子をただバラバラに解体しても、和紙と一緒に漉くことはできません。「和紙と同じくらい薄くしてみてほしい」という川原さんからの司令が入り、鉋(かんな)を使った木材の「薄削り」が始まります。

「鉋掛け」は、木材の表面を削ることで美しく艶を出し、水を弾いたり木そのものの耐久性も向上させる技術。その鉋から吐き出される鉋屑は、大工仕事の中で捨てられてしまうものでしかありませんが、薄く均一な厚みで削ることができれば、薄絹のように美しいものになることだってあります。(実際には数ミクロン(1000分の1ミリ)の厚さを競い合う「削ろう会」という鉋削りの大会などがあるほど)

プロの大工さんが削ったヒノキの鉋屑。細いスギ材でここまでいけるだろうか?

できるだけ薄く削ることができれば、和紙に混ぜることも可能なのでは?そこで将来大工を目指す彼らが、解体された障子を鉋で削っていきます。作品の一部になるだけでなく、砥ぎの技術や鉋の技術の向上にも繋がるため、みんな気合が入ります!

気合が入る建築工学部の生徒

最初はなかなか上手くできなくて悪戦苦闘

薄くても均一でなかったりすると途中でちぎれて丸まってしまう

古い材料は反っていてかなり削りにくそう

毎日放課後は薄削りの練習に励む

みんなで比べて切磋琢磨。技量によって見た目の違いがかなりある

少しずつ薄く均一になってきたかも!!

障子の枠を解体してできたスギ材のため、材自体が細く中々均一に薄くなりません。初めは上手くいかず悪戦苦闘していましたが、みんな少しずつ上達していきました。

上手く削れたもの。少し失敗した不恰好なもの。色々な鉋屑になってしまいましたが、それらを使って川原さんが試作品を作ってくれました。

色々な鉋屑を混ぜてランダムに

千切れてしまったものも一緒にストライプ模様に

出来上がったサンプルの試作品は、生徒のまだまだ荒く未熟な技術と、洗練された伝統技術が共存する不思議な雰囲気を纏っていました。ここから川原さんがどのように創作していくのか・・・みんなで完成を待つことに!そして先日、ついに出来上がって納品された合わせガラスを建築工学部の生徒たちと見に行ってきました!!

創業支援センター(3号棟)の3階エントランス壁面に設置された和紙合わせガラス

みんな「すげー」と息を呑む

野村さんも嬉しそう!

合わせガラスの下部には照明が仕込まれていて、作品をより幻想的に照らしてくれる

作品について直接解説してもらう貴重な機会に

完成した作品は、高校生たちも息を呑むとても素晴らしいものでした。サンプルで見た時よりも繊細で抽象的な模様なんだけど、近くで見ると全然違うのです。蛭谷和紙独特のキメがしっかりあり、その中にある鉋屑によって更に立体的なテクスチャが生まれています。

途中で切れていたり不均質だったりする鉋屑は生徒らの技術不足なんですが、川原さんの洗練された伝統技術が合わさることで、鉋屑一つ一つに表情のようなものや味わい深さが生まれています。そしてこの鉋屑によって古い団地の記憶が蘇ってくるのです。途中で切れてしまった鉋屑ですら何か語りかけてくるような強さを感じます。

 

さらにお二人からも感想を聞きました!

存在感があり、ただでさえ素敵なのですが、「抽象的だけど、近づくと素材感がある」というのは、今回のリノベーションにおけるデザインとして各所の場所づくりで目指していたものなので、その意味でも本当に素敵な作品だと思いました。(仲さん)

元々の団地の話があって、その武骨さのようなものが一周回って今素敵なデザインとなる。だから「残す」ことが一番大事。これからも残るってことが大事。鉋屑でデザインされているなんて一見すると誰も分からないし、その鉋屑は昔の障子からできていることも知らない。

ほとんどの人が知らない当時の団地の姿がここに隠されている。そして高校生のみんながダイレクトに関わったものが形になっている。いろんな人たちの、あの時のアレになると嬉しい(川原さん)

この和紙合わせガラス、SCOP TOYAMA・創業支援センター3階のエントランスに常設されています。最高に素敵な作品となりました!是非多くの方に生で見ていただきたいと思います! !

藤井和弥

PROFILE

富山工業高校

藤井和弥

富山工業高校建築工学科科長
1982年生まれ。富山県高岡市出身。
2016年・2017年に出場した建築甲子園で、同校の監督として2連覇に導く。
2017年の優勝作品「夢を描きながら住まうこと〜地域を創るわかもん団地〜」は、富山市蓮町の県営住宅を改修して行う「創業支援施設・U I Jターン者等住居事業」として実現する。2022年春に完成する予定。
横山天心氏との共同設計「街のヴォイドに開く町屋」は、2020年度グッドデザイン賞を受賞

富山工業高校建築工学科 Instagram
https://www.instagram.com/tomikoarchitects/